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第8回アジアスポーツ医学会学術大会

”走るER”防げ突然死

資料提供:東京新聞 2004/04/27

 特定非営利活動法人(NPO法人)「スポーツメディカル 協会」(勝村俊仁理事長=東京医科大教授)が、来月16日に 開かれるマラソン大会、東京シティロードレース(東京新聞 などで構成する実行委員会主催)の救急医療態勢づくり に取り組んでいる。救命機器を携えた救急救命士が自転車 で駆け付け、大学で心肺蘇生(そせい)術を学ぶ医学生ら 約250人が”人海戦術”でサポートする国内初の試みだ。

来月の東京シティロードレース NPOが高度救急医療支援

 生活習慣病対策に有効なランニングは愛好家が多い半面、 マラソン大会では参加者の突然死=表参照=が後を絶たない。 このため同協会は今回、国内最高水準の救急医療態勢を敷き、 事前に行う参加者の健康チェックにも力を人れる。

 協会副理事長で総責任者を務める田中秀治・国士舘大教授(救急医学)は 「目標は救命センターのER(救命救急室)の態勢をそっくりマラソンコースに持ち込むこと。 マニュアル化し、マラソン大会の標準として普及させたい」と意気込む。

 計画では、10キロコースで4ヵ所に救護所を設けて医師、看護師を配置。 リタイアした参加者を運ぶ車2台と高規格救急車が最後尾を追走する。

 さらに2キロごとに救急救命士が、心臓に電気ショックを与えて救命を図る 「自動体外式除細動器(AED)」を背負って自転車で待機。 沿道に立つ走路員と携帯電話で連絡を取り合いながら機動的に動き回る。

 学生ボランティアのサポート態勢も整えた。国士舘、成蹊、杏林など五大学の、 医師や救命士をめざす学生、蘇生術を体得した学生ら約50人がランナーを見守る。 日本体育大学の学生約200人も心臓マッサージなどの講習を受けた上で走路員として活動する。

    これにより
  1. 人海戦術の一次救命措置(心肺蘇生)
  2. 自転車部隊の除細動措置
  3. 医師の救命措置
  4. と効率的な救急医療態勢が整う。

自動体外式除細動器(AED)

 協会は、昨年のレースでもAEDを導入し、6ヶ所に救護所を設けた。 だが、田中教授は「人間の脳細胞は、心臓停止後、酸素が送り込まれなくなって5、6分で回復不能なダメージを受ける。 時間との勝負であり、昨年のポイントごとの救命態勢を今回は線へ近づけたい」と強調する。

 突然死の原因の1つは不整脈の「心室細動」で、心臓の心室が細かく震えて全身に血液を送り出せなくなる。 AEDはこの状態を回復でき、高円宮憲仁さまの突然死で、その必要性が注目された。

 AEDは機械の指示に従って安全に操作でき、欧米のように駅などの公共施設に配備できれば、 救命率アップにつながると期待される。厚生労働省は一般市民の使用を認める方針を決め、 専門家会議で講習や普及方法を検討している。

 だが、市民レベルのスポーツ大会では、AEDの導入さえ進んでいないのが現状だ。

 医療態勢は費用の問題が絡むが、協会副理事長で医師の高岡邦子さんは(60)は 「参加者が亡くなれば遺族から訴訟を起こされかねない時代であり、 主催者は参加者の生命を守る責任を自覚してほしい」と警鐘を鳴らす。

 協会は2001年に高岡さんらを中心に設立した。前身はこの約5年前に、 協会事務局長で会社員の小川明さん(44)がスポーツ好きの友人と始めた同名サークルだった。

 「仲間との活動を通じて、市民スポーツを支援する医療態勢が無いことに気づき、 高岡先生に相談した。これがきっかけで、現在の協会に発展した」と小川さん。

 同レースは、障害者や移植手術を乗り越えた人たちを含め5000人以上が参加する。 協会は本番に向けて5月8日に「スポーツにおける救急医療」をテーマに千代田公会堂(千代田区)でシンポジウムを開く。
問い合わせは同協会=電03(5275)1191。


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