GIFT OF LIFE
18日、約5500人の市民ランナーが都心を快走した「東京シティロードレース2003・江戸開府400年記念大会」。
参加者たちはそれぞれの目標を掲げて、都心の10キロに臨んだ。一般ランナーと障害者、
臓器移植者がともに走る楽しさを分かち合った大会は、医療スタッフら約600人のボランティア、
沿道の交通規制に当たった警視庁など多数の協力で支えられた。
(比護正史、中村守孝、石川修巳)

「あと2キロくらいは走れそう」。移植者男子の部で出場し、完走を果たした千葉市の福島豊さん(62)。
鉢巻きには「GIFT OF LIFE」の文字。福島さんは20年来腎臓病を患い、5年前に腎臓移植を受けた。10キロは初挑戦という。
臓器提供者の名は知らない。だが、「こんなに元気ですよ、と伝えたかった」と福島さん。
生きる喜びを実感しながらゴールを駆け抜け、客席からの拍手に応えていた。
伴走者に感謝
視覚障害者の女子の部に出場した大田区の綾部捷子さん(65)と伴走した千葉県市川市の山之内咲子さん(74)は、
大会最高齢者コンビ。綾部さんは「目標は1時間15分だったけど、なんとか達成できたかしら。
去年は仲間に抜かれて侮しかったけど、今年は2人ぐらい(後ろに)置いてきたわ」と満足そう。
国立市の桂田和夫さん(78)は、最後に国立競技場に姿を見せた。
メーンスタンド前を通ると客席から大きな拍手がわき起こり、
「体調は良くなかったが、伴走者のおかげでどうにか走り切れた。
一番ラストはみっともなかったけれど、声援はうれしかった」と話した。
仲良くゴール
茨城県取手市から参加した松田千枝さん(55)の家族は、マラソンー家。
松田さんは1985年の東京国際女子マラソンで4位に入った実力者で、夫の泉さん(56)はコーチ。
この日は娘の玲さん(30)も出場し、仲良くほぼ同時ゴール。松田さんは「今日はフレッシュに走れました。
娘と私がリードしていましたが、途中の信号で止まった時に夫が追いつきました」と振り返った。
市民ランナーとして30年近い経験のある中央区の塚田幸太郎さん(79)は、大会初参加。
「タイムはいまひとつだったが、市ケ谷のお堀の景色が良くて気持ちよく走れた」と話した。
知的障害者女子部門の2位入賞は、ゲストランナーの高橋尚子選手と同姓同名の神奈川県の高橋尚子さん(23)。
表彰式では高橋選手から副賞が贈られ、スタンドからも祝福の声が上がっていた。
ERに劣らぬ医療体制敷き NPO法人がサポート
高齢者や臓器移植者、身体障害者が数多く参加した大会では、万一を想定し、
綿密な医療体制が敷かれた。医療ボランティアを務めた特定非営利活動法人(NPO法人)
「スポーツメディカル協会」(本部・千代田区)はコースに救護室を設け、医師と看護師を配置。
心臓発作に対応する除細動器」など最先端機器を用意した。
昨今、市民マラソン大会での突然死が相次いだことから、
同協会は公認スポーツ医や救急救命士らでチームを編成。
救命センターのER(救急救命室)に劣らない医療体制を敷いた。
この日、救護室には、転倒した参加者が数人運ばれたが外傷だけで、
懸念された心疾患の例はなかったという。
医師団長の田中秀治・同協会副理事長は「市民ペルの大会でこのようなサポート体制を敷いたのは日本で初めて」と胸を張った。
この記事は東京シティロードレース2003の紹介です。
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